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外からの視点: 「衰退が確定した国におけるプランB」を裏付ける外的要因

日本を離れて10年目の私が 「衰退が確定した国におけるプランB」という素晴らしい記事を読み、外から見た日本という切り口で書きたくなった。タイトルが釣りと言われるかもしれないが内容は被らないので、Taejun さん記事を読んで何か感じた方は、この記事も読む価値はあると思う。まだ読んでいない方は、読んでから是非戻ってきてほしい。

日本を離れて10年目の私が 「衰退が確定した国におけるプランB」という素晴らしい記事を読み、外から見た日本という切り口で書きたくなった。タイトルが釣りと言われるかもしれないが内容は被らないので、Taejun さん記事を読んで何か感じた方は、この記事も読む価値はあると思う。まだ読んでいない方は、読んでから是非戻ってきてほしい。

この note を開いた人は 「衰退が確定した国におけるプランB」を読んだという前提で、まとめは書かない。

前置き

“I can explain it to you, but I can't comprehend it for you.” という名言がある。「説明はしてあげられるけど、あなたに成り代わって理解してあげることはできない」的な意味になる。

今から書くことを読んでくれた方々がどう受け止めるかは私には決められないが、今までと違った視点を持つきっかけになれば思う。立つ場所で見えるものが変わるように、外から見た日本はまた違って見えてくる。

結論をいうと、国外の企業からみて日本市場はすでに後回しになりつつある。さらには、手に入る情報量と学びの速度で日本市場は絶望的な周回遅れをしていて、今後も差が広がり続ける。

先に断わっておくが、私は日本が大好きだ。20歳まで日本を出たことがなかった私は、生まれ育ちも、人格形成ももちろん日本。家族も昔からの友人もいるし、安全だし、飯は世界一美味いと思うし、生きることに苦労をすることが極端に少ない日本。チャンスさえあればいつでも帰りたい場所である。

外資企業にとって、日本市場はすでに後回しの対象

外から見ると、日本市場は鎖国状態に近い。言語は難解で、文化は独特。なにより商習慣が特殊過ぎて外資企業が国内市場に進出するハードルが異常に高い。進出するにおいて 短期的な ROI が合わない市場の代表格となっている。

日本に進出するくらいなら、英語のまま参入できる東南アジア諸国に進出するという判断を下す企業はとても多い。リターンが不確実な高リスク案件に手を出せるのは、体力のある超巨大企業に限られてくる。

そして、国外の市場でメジャーになったプロダクトが、黒船のように、圧倒的に優位性の高いソリューションを引っさげて日本市場を取りに来る。

最先端のビジネスや技術が日本に入らないようになる

これは逆に言えば、最新のビジネスや技術が日本の土を踏むのは、世界比で常に数年以上遅れをとるということ。

ビジネスでの世界的競争においては、危機的な問題である。

なぜなら国外では、最前線で戦い、しのぎを削り合いながら学習し、進歩し続けている企業が頭角を表すから。激しい競争環境に身を置いているのといないのとでは、レベルの上がり幅が異なる。

その数年のギャップ期間で、日本企業は土俵にすら立たせてもらえず、情報量と学ぶ速度の差が顕著になる。

気づいた頃にはきっとどこかでマーケットリーダーが生まれ始めていて、その更に数年後には、比較的容易に国内市場を蹂躙できうる規模になっている。

学ぶ速度を上げることに最適化をかけている外資企業は非常に多い。その速度と情報量を上回れなければ、周回遅れをされ続ける構図になる。

この負のループは、いつの日か一瞬にしてオセロの面がひっくり返されることを意味する。

母国を離れて活躍する人が憂うこと

私の住むシリコンバレーのテック界隈では、数え切れないくらい多くの東アジア、東南アジア諸国の人材が活躍している。

その人達が手に届かないほど優秀かと聞かれたら、100%そうとは言えないと思う。でもしのぎを削る環境かつ、最先端のマーケットに身を置けていることで、成長曲線は大きな違いがあるだろう。

感覚値だが日本からの人はそのうち1%にも満たないかもしれない。そういった意味で、周辺国の海外人材層は非常に厚みがある。(母国に帰る気があるかは別として)

母国日本に貢献したいと願う海外在住者は多い。私もそのひとりでありたい。一方で、過去にその気概をもっていたものの、日本企業に手を差し伸べたあとにもはや手に負えないことを理解し、見限ってしまった人を何人も知っている。

ビジネスへの姿勢に関して、それほど大きな乖離がすでにある。

駐在から帰国した人材がすぐに転職していくのも、著名な MBA を社費で卒業した人材が自腹に切り替えてでも外資に転職をしていくのも、現状打破するチャンスを最大限に利用するための決定なのだろう。

海外に出ても、日本文化圏の中で生きていてはあまり意味がない

ではただ海外に出ればいいのかというと、そうではない。

3年間ブラジルに駐在をしていた時も、転職してシリコンバレーで日本企業に就職したときも「日本」の枠を出られない日本企業を多く見た。日本のコミュニティーから出られない人を多く見た。

文化とは、人と環境だと思う。海外で「日本の生活」をしたとしても、DeepL を駆使して英語の記事が理解できるようになっても、正直経験として得るものの幅は広くないだろう。

環境と交流する人を強制的に変えない限り、知らないことすら知らなかった文化に触れる機会は訪れないから。

世界は均一化し始めていると言う人もいる。しかしながら、均一化し始めているのはマーケットだけであって、文化や人の考え方はそう簡単には交わらない。

それらはそもそも翻訳できるものでもない。生身で経験しない限り、気づくことすら無いかもしれない。

コンフォートゾーンから抜け出し続けること

もし危機感を抱いたが身動きのとり方が分からないと思う方がいたら、如何にしてコンフォートゾーンから抜けせるかを検討してみてほしい。どうしたら、ラーニングゾーン、グロースゾーンに身を置き続けることができるのか。

日本で生まれ育った方は、リスク回避の思考回路、行動パターンが植え付けられていると思う (私もそうだった)。であれば、現状維持こそが最大のリスクだと意識転換してみたらよいのではないか。

そうすれば、もしかしたら、少し何かが変わるかもしれない。

国も会社も助けてくれないなら、自分の道は自分で切り開くしか無い。

多くの情報を取得し、学びの速度を上げ、刻一刻と様変わりする状況に順応し続けられるか。それがこの時代で戦っていくスキルなのだと思う。それを身を持って経験できる環境に身を置くことが、最善のリスク回避だと思う。